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【35】小中学校における自閉症や情緒障害のある子どもの教育の充実

 
「小・中学校における自閉症・情緒障害等の児童生徒の実態把握と教育的支援に関する研究-特別支援学級及び通級指導教室の実態調査からー(平成20年9月)」より 
 
 キーワード: 自閉症、情緒障害、小・中学校、特別支援学級、通級による指導
 
【この研究では】

 文部科学省における現行の就学基準では、発達障害である自閉症等と心因性の選択性かん黙等のある子どもを情緒障害教育の対象としています。情緒障害教育では、情緒の安定を図り、円滑に集団に適応していくことなどができるようにするために、多様な状態に応じた指導が大切になります。本研究では、自閉症や情緒障害の児童生徒が、情緒障害特別支援学級、通級指導教室においてどのような教育を受けているのか、その現状と課題を明らかにすることにより、今後の自閉症や情緒障害の子どもの教育の充実に向けてどのように考えていけばよいか検討することを目的としました。


【研究をして見えてきたこと】

 情緒障害特別支援学級には、小学校で約75%、中学校には約60%と自閉症に類する児童生徒が最も多く在籍していますが、その他、選択性かん黙や神経性習癖などの情緒障害の児童生徒、LD、ADHD、言語障害、病虚弱、肢体不自由などの他の障害のある児童生徒、うつ病、統合失調症、神経症などの疾患がある児童生徒も在籍しているなど、さまざまな障害の状態にある児童生徒が在籍していることがわかりました。特に中学校では不登校の生徒が多く在籍していました。

 また、知的発達の障害の程度についても、知的に遅れのない児童生徒から、知的に中度、重度の障害のある児童生徒も多く在籍しており、障害の多様化、重度・重複化が指導上の大きな課題となっています。

 自閉症、情緒障害のある児童生徒を対象としている通級指導教室でも、LD、ADHDの他、選択性かん黙、不登校などの障害の多様化が課題であるとともに、通級する児童生徒の急増傾向も課題となっています。

 小・中学校における自閉症、情緒障害のある子どもの教育の今後の充実に向けて、重要なポイントには以下のようなことが挙げられます。

 
  • 障害の多様化に伴う教員の専門性の向上    
  • 特性に応じた指導、特に自立活動の指導内容の充実
  • まわりへの理解啓発と二次的障害への対応
  • 保護者や関係機関との連携
  • 個別の指導計画、個別の教育支援計画の作成と活用


    紙に書いている男の子の画像
    【研究に関する情報】

     文部科学省の調査によれば、情緒障害特別支援学級に在籍している児童生徒は、平成18年度約3万3千人。通級による指導を受けている児童生徒は、平成19年度約4万5千人まで増えています。

     -情緒障害とは-
    情緒の現れ方が偏っていたり、その現れ方が激しかったりする状態を、自分の意志ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に支障となる状態をいいます。情緒障害教育では、発達障害である自閉症などと心因性の選択性かん黙などのある子どもを対象としています。

     -情緒障害特別支援学級では-
    情緒障害のために、通常の学級での教育では十分に成果が期待できない子どもが在籍し、基本的には通常の学級と同じ教科等を学習しています。それらに加え、自閉症などの子どもには、対人関係の形成や生活に必要なルールなどに関することを学習しています。また、選択性かん黙などの子どもは、心理的安定や集団参加に関することを学習しています。

     -通級による指導とは-
    小・中学校の通常の学級に在籍している、比較的軽度の障害がある児童生徒に対して、各教科等の指導は主として通常の学級で行いつつ、個々の障害の状態に応じた特別の指導を特別の指導の場(通級指導教室など)で行う教育形態です。通級による指導では、発達障害である自閉症と心因性の情緒障害の児童生徒は対象として分けられています。

     -自立活動とは-
    特別支援学校の学習指導要領において、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間とともに設けられている領域です。一人一人の児童生徒が自立を目指して、障害に基づく種々の困難の克服・改善を目標としています。特別支援学級では必要に応じて、特別支援学校の学習指導要領を参考に教育課程を編成することになっています。また、通級による指導では、自立活動を中心に、必要に応じて各教科の補充指導を行うこととなっています。


    【研究組織】

     笹森洋樹、廣瀬由美子


    【研究課題名】

     小中学校における自閉症、情緒障害のある児童生徒の実態把握と教育的支援に関する研究
    -特別支援学級及び通級指導教室の実態調査から-


    【もっと詳しくお知りになりたい場合は】

     こちらの報告書は、研究所webページにて全文掲載されています。

    【本研究紹介シートの文責】

     笹森洋樹


    本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。