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【15】通常の学級における教育的な配慮について

 
「小・中学校に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の指導に関する研究(平成18年3月)」より  
 
 キーワード: 通常の学級、配慮、学級担任、意識調査
 

【この研究では】

 「小・中学校に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の指導に関する研究」の一環で、「教育的な配慮の実践を通常の学級に広めていく」という観点から次の2点について取り組みました。
一つは実践の場で活用できる配慮リストの作成です。これは過去に発達障害の子どもに効果的であった支援を精選し、68項目にまとめました。内容は「読む」「書く」「話す」「聞く」「計算・推論する」の学習に関することから「不注意」「行動・情緒面」や「環境整備」を支えるものまで幅広く網羅されてます。

 もちろん、発達障害のある子どもだけでなく、通常の学級のどの子どもにも適用することが可能です。個々の子どものニーズに教員が目を向けるきっかけになればと期待しています。

 もう一つは、小学校の学級担任411人を対象に行った調査です。ここでは主に、学級担任が得意、あるいは苦手と感じている配慮の内容を明らかにしました。


【研究をして見えてきたこと】

 調査で最も興味深かったのは、「声かけ」「板書の書き方」「ルール決め」など、学級経営に深く関わる配慮については、教員は容易に実施できると感じていたことです。気になる子どもに個別に対応するのではなく、学級全体に配慮していくという意識が高いことが伺えました。学級経営やわかる授業の工夫など、学級全体を通して個々の子どもを支えていくといったアプローチの充実が、学級担任のモチベーションの向上につながると推察されました。

 他方で「課題の難易度の調整」「個別指導」「少人数授業」など、カリキュラムや指導形態に関わる配慮については、実施が困難と感じている人が多いことがわかりました。つまり、これらの領域の実践については、学級担任は何らかのサポートを必要としているということです。

 どのような配慮であれば通常の学級で実践できるのか。その領域の拡充を目指して、学級担任を支える手立てを検討していくことが今後の課題です。
(上記文は、日本教育新聞に掲載した内容[2008]を一部修正したものです。)


【研究に関する情報】

 この研究は、プロジェクト研究「小・中学校に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の指導に関する研究」の研究報告書で報告しました。また、LD研究誌第16巻の論文に調査結果の詳細が掲載されています。68項目の配慮リストは、研究報告書、論文のいずれにおいても利用可能です。

 配慮リストの作成は、プロジェクト研究で出版した書籍「LD・ADHD・高機能自閉症の子どもの指導ガイド(東洋館出版社)」を参考にしています。


【研究組織】

 渥美義賢・大柴文枝・海津亜希子・小林倫代・是枝喜代治・笹森洋樹・佐藤克敏・篁 倫子・玉木宗久・花輪敏男・廣瀬由美子・松村勘由・棟方哲弥・涌井 恵・渡辺 章


【研究課題名】

 「小・中学校に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の指導に関する研究」(平成15~17年度)


【もっと詳しくお知りになりたい場合は】
  • 「小・中学校に在籍する特別な配慮を必要とする児童生徒の指導に関する研究」の研究報告書は、研究所webページにて全文掲載されています。
    http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_c/c-57.html
  • LD研究誌掲載論文は以下のとおりです。
    玉木 宗久・海津亜希子・佐藤克敏・小林倫代(2007)通常の学級におけるインストラクショナル・アダプテーションの実施可能性-小学校学級担任の見解.LD研究、第16巻、62-72.
  • 書籍「LD・ADHD・高機能自閉症の子どもの指導ガイド(2005)」 は、東洋館出版社より販売されています。
    http://web.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_c/c-50.html#top

【本研究紹介シートの文責】

 玉木 宗久


本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。