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【11】 障害のある子どもの支援を行う機関のあり方を考えるために

 
「ライフサイクルに応じた一貫性のある教育相談支援-家庭養育から学校教育に至る教育相談活動を中心に-(平成15年2月)」より
 
 キーワード: ライフサイクル、教育相談、乳幼児期、学齢期
 

【この研究では】

 乳幼児期から学齢期にいたる子どもを対象とした相談事例を通したネットワークの広がりや連携の状況、及び特殊教育センター等の調査報告を行いました。研究報告書の中では、大きく「特殊教育センターの役割と連携」と「地域システムと相談・連携の実際」に分けて報告をしています。「特殊教育センターの役割と連携」についての中では、他機関との連携の取り方と情報の取り扱いについて、人口規模別にみたセンターの役割、特殊教育センターの役割分担と階層性について等を報告しています。また「地域システムと相談・連携の実際」についての中では、養護学校における機関訪問活動からみた連携、養護学校やことばの教室における療育相談と地域システムの実際、特別な教育的支援を必要とする子どもへの支援の実態と校内サポート体制について報告しています。

 発達障害のある子どもにとって、乳幼児から長期的な視点を持って発達に応じた支援を受けることはとても大切なことです。子どもの一生を見据えた相談支援を行うために関係機関がどのような役割を取り、連携をしていくかを考えるために必要な事柄がまとめられています。


【研究をして見えてきたこと】

 障害のある子どもたちは、乳幼児期から医療機関、療育機関、教育機関で相談や支援を受けながら育つことが多いのですが、プライバシー保護の必要性などがあり、関わる機関が変わる度に保護者が何度も子どもの成長について情報を伝えなくてはならないという現状があります。そして、支援を行う機関側にとっても、ライフサイクルを通した相談支援を行うには、特に乳幼児期から学齢期の間の連携について考えることが大きな課題となっています。

 機関がどのような相談支援を行うかは、個々の機関の特色だけでなく、県や市のシステムの中で見た時、どのような役割を求められているかによっても異なります。例えば、地域の特殊教育諸学校や特殊学級・通級指導教室での役割と特殊教育センターや教育委員会の役割は同じではありません。また、県立の機関と市立の機関ではネットワークを結ぶ地域の広さや対象は異なりますが、できるだけ居住地域に近い場で支援を受けられることは子どもにとっても保護者にとっても重要です。

 また、一貫した支援体制づくりには機関同士のネットワーク作りも大切です。特に領域の異なる機関には担当者が積極的に動いて理解を求めることが重要になります。これは学校内においても同じで、教員同士で理解を得ながらネットワークを作っていくことが求められます。一貫性や継続性は同一の内容や課題を同じような方法で行っていくことではありません。子どもの成長や発達に伴い支援すべき内容や課題を確認してすすめていくことが大切です。


【研究に関する情報】

 本研究の成果のうち、(独)国立特殊教育総合研究所の教育相談年報第25号にまとめたものは、研究所webページにて全文掲載されています。
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_d/d-213/d-213_2.pdf

また、学会で発表したものは、以下の論文集に掲載されています。

  • 伊藤由美・小林倫代(2003)教育機関間における相談の現状-教育センターと特殊教育諸学校等における個人情報の扱い-.日本特殊教育学会第41回大会発表論文集、323、
  • 小林倫代・伊藤由美(2003) 教育機関と福祉機関との連携の実態-教育相談担当者のアンケートから-.日本教育心理学会第45回大会論文集、99.

【研究組織】

 後上鐡夫・小林倫代・伊藤由美・植木田潤・所外研究協力者6名
研究協力機関:福岡教育大学教育学部附属障害児治療教育センター


【もっと詳しくお知りになりたい場合は】

 こちらの報告書は、研究所webページにて全文掲載されています。
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-168.html


【本研究紹介シートの文責】

 伊藤由美・後上鐡夫

本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。