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【49】高機能自閉症等の児童生徒の国語科指導のために

 
平成22-23年度 重点推進研究 「特別支援学級における自閉症のある児童生徒への国語科指導の実際-習得状況の把握と指導内容の編成及び実践を中心に-」より
 
キーワード:高機能自閉症等、自閉症・情緒障害特別支援学級、国語科学習評価シート
 

【この研究では】
 本研究は、自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する高機能自閉症等のある児童生徒の国語科学習における評価を行い、学習の習得状況を把握した上で、実際の指導の在り方を検討することを目的としました。
研究第Ⅰ部では、高機能自閉症等のある児童生徒の国語科学習の習得状況を把握するツールとして、国立教育政策研究所(2002)作成の国語科評価規準例を参考に、「国語科学習評価シート」を作成し実際に活用しました。その結果、研究効力校7校の自閉症・情緒障害特別支援学級担当教員からは、漠然としていた対象児童生徒の国語科の習得状況が明確になったとの報告を得ています。
研究第Ⅱ部では、各研究協力校における対象児童生徒の「国語科学習評価シート」の実際により、対象児童生徒の前年度の習得状況結果から、①国語科指導方針の決定、②指導時数や具体的な指導内容等の編成、③国語科年間指導計画の作成、④単元における具体的な指導などの実践について整理をしています。協力校の先生方の実践からは、国語科指導方針等を決定するための3種類のフォーマット(学級担任が指導方針等を決定するための自己チェックシート)が重要であったことや、個々の高機能自閉症等のある児童生徒の認知特性を踏まえた、国語科指導の重要性を理解したとの報告を頂きました。
本稿では、上記研究の第Ⅰ部の抜粋として、「国語科学習評価シート」の実際を報告を致します。


【研究をして見えてきたこと】
 近年、自閉症・情緒障害特別支援学級は、毎年600程度の学級と1100人程度の在籍児童生徒数が増加しています。その一方で、特別支援学級を担当する先生方は、特別支援学校教員免許の習得率が30%程度という結果となっています。そのため、自閉症の特性を理解した適切な指導を行うために、担当の先生方への支援が必要になると考えました。
本研究では、担当の先生が、通常の学級の教師経験を生かした実態把握を行うために、学習の習得状況を把握するためのツールが必要であると考えました。そこで、研究開始当初に発行されていた国立教育政策研究所(2002)作成の評価規準を参考に、評価規準を一定のルールで分割したツールを作成しました。高機能自閉症等のある児童生徒が、どの領域・どの観点で習得、あるいは未習得なのか評価できるようにチェックシートにしました。
評価した「国語科学習評価シート」を活用して、担当の先生が国語科の指導方針や年間指導計画の作成に生かせるよう活用の手順もまとめました。

 <国語科学習評価シートの具体例>


 活用の手順は、ステップ1で当該学年の習得状況の評価を行った後に、ステップ2で当該学年の分割内容を評価します。それでも習得が十分でない場合は、ステップ3として下学年の内容を評価します。それらの結果をステップ4で総合的にまとめ文書化しておきます。
このような手順で進めることにより、前年度までに学習した内容についての評価が明らかになります。
【研究組織】
研究代表者:廣瀬由美子
研究分担者:小澤至賢、笹森洋樹、井上昌士、大城政之、菊地一文、猪子秀太郎、柳澤亜希子

【研究課題名】

平成22~23年度研究「特別支援学級における自閉症のある児童生徒への国語科指導の実際―習得状況の把握と指導内容の編成及び実践を中心に―」 

【もっと詳しくお知りになりたい場合は】
これらの報告書は,いずれも研究所webページにて全文掲載されています。

http://www.nise.go.jp/cms/7,7042,32,142.html

【本研究紹介シートの文責】

  研究代表者 廣瀬由美子

本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。