• 指導・支援
  • 研修講義
  • 教材・支援機器
  • 研究紹介
  • 施策法令
  • 教育相談
  • イベント情報
 
 
もっと詳しいメニュー
 
アンケートのお願い
 

【59】自閉症のある子どもの自立活動の授業を組み立てる上での要点

 
平成26~27年度専門研究B「特別支援学級に在籍する自閉症のある児童生徒の
自立活動の指導に関する研究」より
 
 キーワード: 特別支援学級 自閉症 自立活動の指導
 

【この研究では(概要)】

 自閉症のある子どもは状態像が多様であるため、個々の実態に応じた指導を行うことがとても重要です。また、特別支援学級に在籍する自閉症のある子どもが、交流及び共同学習等で通常の学級の子ども達と一緒に活動したり、教科の学習を保障したりするためにも自立活動の指導は欠かせません。
 そこで、本研究では、自閉症のある子どもの自立活動の指導の充実に向けて、特別支援学級(自閉症・情緒障害特別支援学級、知的障害特別支援学級)での自立活動の指導の現状と課題についてアンケート調査を行いました。また、研究協力機関等での情報収集や実践を通じて、特別支援学級の先生方が自立活動の指導を行う上で直面している課題をPDCAサイクルに沿って整理しました。
 その結果、本研究では、主に特別支援学級の経験年数が短い、あるいは初任の先生方が、自立活動の授業を組み立てる際の参考となる「授業づくりの要点」を3つの側面(①「個々の子どもに付けたい力(目標)の絞り込み」、②「自閉症のある子どもの障害特性や認知特性に留意した指導」、③「指導の振り返りの重要性」)から、9つの要点にまとめました。
 本研究を通して、特別支援学級に自立活動の時間を位置づけて指導することの意義、自閉症のある子どもの自立活動の授業づくりで先生方に留意していただきたいことを考察し、特別支援学級の先生方の専門性や指導力の向上を目指した今後の取組について提案しました。


【研究をして見えてきたこと】

〇アンケート調査の結果から
 特別支援学級を対象に実施した調査の結果から、①特別支援学級の先生方への自立活動についての理解の促進の必要性、②自立活動の指導計画と指導目標の設定の重要性、③自閉症のある子どもが自己を肯定的に捉えることができる指導の重要性、④教師による指導の振り返りの必要性と自閉症のある子どもによる自己評価の重要性が明らかになりました。

〇特別支援学級の先生方が直面している自立活動の指導上の課題
 特別支援学級では、担当の先生方の経験年数の短さや専門性の課題、指導体制上の理由等から、指導目標よりも活動が優先あるいは重視されやすい傾向にあること、複数の子どもが学級に在籍する場合、集団での指導が中心になり、個々の子どもの課題やねらいよりも集団全体でのねらいが主となり、それにより指導目標が具体化され難く、その結果、評価も難しくなるといった一連の関係性が明らかとなりました。

〇自閉症のある子どもの自立活動の授業づくりの要点
  9つの要点の内容は、以下の通りです。詳細は、下記で紹介しているリーフレットをご覧ください。
 <個々の子どもにつけたい力(目標)の絞り込み>
  要点1:子どもの課題となる行動の背景や理由、興味・関心、得意なことを捉える
  要点2:長期目標と短期目標の設定-子どもにつけたい力(目標)を具体化する-
  要点3:長期目標と短期目標を踏まえた単元の設定と指導の検討
  要点4:自立活動の学習指導案(略案)の作成
 <自閉症のある子どもの障害特性や認知特性に留意した指導>
  要点5:動機付けを高める学習活動や教材を取り入れる
  要点6:子どもの主体的な発言や活動を大切にする
  要点7:視覚的な手がかりの機能を考えて活用する
  要点8:情報を整理して伝える 
 <指導の振り返り>
  要点9:指導の振り返りの重要性

 〇自立活動の指導を時間に位置づけて指導することの意義
 研究協力機関での実践から、①PDCAサイクルを意識することができる、②指導目標を明確に捉えることができる、③指導の段階性を意識でき、見通しをもつことができる、といったことが挙げられました。

【参考となる情報】
 リーフレット「自閉症のある子どもの自立活動の授業を組み立てる上での要点」 
 http://www.nise.go.jp/cms/resources/content/385/20160826-113548.pdf

【専門用語の解説】
 自立活動の指導とは、特別支援学校の教育課程において特別に設けられた指導領域であり、障害により生じる生活上又は学習上の困難を改善・克服することを目的としています。小・中学校の特別支援学級では、特に必要がある場合に「特別の教育課程」として自立活動の内容を取り入れることが可能となっています。

【研究組織】
 研究代表者:柳澤亜希子
 研究分担者:岡本邦広、石坂 務、若林上総(平成27年度)

【研究課題名】   

 特別支援学級に在籍する自閉症のある児童生徒の自立活動の指導に関する研究(平成26~27年度)

【もっと詳しくお知りになりたい場合は】

 これらの報告書は、いずれも研究所webページにて全文掲載されています。
 http://www.nise.go.jp/cms/7,12406,32,142.html

【本研究紹介シートの文責】

 柳澤亜希子

本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。